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【最新版】「いつの間にか富裕層」とは?純金融資産1億円の基準と、増加した3つの理由(株価上昇・円安・相続)

海を望むインフィニティプール付きヴィラで寄り添う家族。テラスにシャンパンと旅行バッグ。

「特別なことはしていないのに、資産を集計したら“1億円”を超えていた。」そんな声が近年増えています。
NRIはこの層を「いつの間にか富裕層」と定義し、NRIが2025年2月に公表した推計では2023年時点で富裕層・超富裕層が合計165.3万世帯まで増えたとされています。

この記事では、純金融資産1億円の定義を整理した上で、増加の理由(株価上昇・円安・相続)と、増えた後にやりがちな落とし穴、対策まで解説します。


「いつの間にか富裕層」とは?

NRIは、近年の株式相場の上昇を受けて運用資産が急増し、結果として富裕層になった層を「いつの間にか富裕層」と定義しています。年齢は40代後半から50代、職業は一般の会社員が中心で、従業員持株会や確定拠出年金、NISAなどを通じて運用資産が1億円を超えたケースが多いとされています。 NRI

ここで大事なのは、「年収が急に増えた人」よりも、「長期の積み上げ+市況」で評価額が増えた人が目立ってきた、という点です。NRIは推計として、準富裕層から富裕層になった“いつの間にか富裕層”が、富裕層以上の世帯のうち1〜2割程度を占めると推察しています。


純金融資産1億円の基準とは?

純金融資産の意味

純金融資産は、預貯金・株式・債券・投資信託・(一時払いの)生命保険や年金保険など、世帯の金融資産の合計から、負債を差し引いたものです。 NRI

「純」が付くのは、ローンなどの負債を引くからです。資産が多く見えても、負債が大きければ“純”では伸びません。

富裕層の境目(NRIの5分類)

NRIは純金融資産の金額に応じ、世帯を5つに分類しています。

区分純金融資産の目安
超富裕層5億円以上
富裕層1億円以上〜5億円未満
準富裕層5,000万円以上〜1億円未満
アッパーマス層3,000万円以上〜5,000万円未満
マス層3,000万円未満

※この5分類(区分と金額帯)は、NRIが純金融資産をもとに世帯を分類する際の基準です。


富裕層はどれくらい増えた?(数字で現象をつかむ)

NRIの推計(2025年2月公表)によると、2023年時点で富裕層(1億〜5億)が153.5万世帯、超富裕層(5億以上)が11.8万世帯で、合計165.3万世帯。純金融資産の総額は合計約469兆円と推計されています。 NRI

この“増え方”に、次の3つが強く効いた、というのが今回の核心です。


増加した3つの理由(株価上昇・円安・相続)

1)株価上昇:評価額が伸びた(特に株・投信の比率が高い世帯)

株式や投資信託などの資産価値上昇により、資産額が増えたことが1つめの要因です。特に2023年は「株価の急騰」によってリスク性資産(値動きのある資産)の価値が大きく増えています。

ここが“いつの間にか富裕層”を生むポイントです。
積立投資を長く続けてきた人ほど、過去に買った分がまとめて資産額が上昇し、本人の想定以上に資産が増えます。

2)円安:外貨建て資産が「円換算」で増えた

2点目の要因は円安です。2023年は円安が進行したことに伴い、外貨建て資産の円換算の価値が増加し、資産総額の伸びに寄与しました。

イメージとしては、たとえば外貨資産が10万ドルある場合、1ドル110円なら1,100万円、1ドル150円なら1,500万円です(ドルの量が同じでも、円で見た評価が変わります)。円安で「増えたように見える」一方、逆方向に動けば減るのも同じ仕組みです。
外貨資産の中身が同じだとしても、為替レートが円安になると、見栄えが良くなるのです。

3)相続:資産が世代間で移動し、富裕層に“飛び級”が起きる

増加傾向にある相続によって相続人が富裕層・超富裕層になるケースが増えています。

統計でも、国税庁が2025年12月に公表した「令和6年分 相続税の申告事績の概要」では、相続税の課税割合が10.4%(前年差+0.5ポイント)と増えてきていることからもわかります。 国税庁

自分は富裕層??該当するか簡単3分チェック

計算はシンプルです。
世帯の金融資産(預貯金、株、投信、債券、保険など)を全部足して、負債(住宅ローン、カードローン等)を引きます。これが純金融資産です。

あなたの金融資産が1億円以上(5億円未満)なら富裕層、5億円以上なら超富裕層の仲間入りです。

富裕層チェックでよくある間違いは次の2つです。
1.夫婦・家族で口座が分散していて全体像が見えていないこと。
2.負債を引かずに「資産だけ」で判断してしまうこと。

富裕層判定は“純”金融資産で判定するため、住宅ローンが残っていると見た目より下がります。


資産が増えた後の落とし穴

富裕層はもちろん知識が十分にあり、戦略的に投資し資産形成してきた人達がベースですが、「いつの間にか富裕層」には生活スタイルは従来と変わらず、金融知識が十分ではないまま商品を買っている可能性や、分散方針・富裕層向け商品の理解が十分できていない人達も含まれているとされています。

ここから先は、現実に起きやすい「いつの間にか富裕層」のつまずきやすいポイントを“原因別”に整理します。

株で資産が増えた人の落とし穴:値動きの荒さを甘く見る

資産額が増える局面では、値動きが気持ちよく見えます。でも増え方の大きい資産は、減り方も大きいです。
対策は「どのくらい下がったら困るか」を先に決め、必要な生活防衛資金(すぐ使う現金)を別として確保しておくことが重要です。

円安で資産が増えた人の落とし穴:為替レートの逆回転を想定していない

外貨資産は、円安で得をし、円高で損をします。外貨比率が高いほど、生活の安心感と資産評価がズレやすくなります。
対策は「外貨は目的を決めて持つ(老後・教育など)」「外貨が必要な時は一度に全量を交換せず、段階的にタイミングを複数回に分けて交換する」ことです。

相続で資産が増えた人の落とし穴:現金不足と“締切”

相続は、資産があっても現金が足りない…という恐ろしい状態が起こり得ます。(不動産比率が高い、分割が決まらない等)。
対策は早めに手を打つことです。早ければ早いほど効きます。相続が現実味を帯びた時点で、財産目録の作成、名義と保管場所の整理、専門家(税理士など)への相談を“前倒し”して進めておくと安全です。相続税の申告は原則10か月以内なので、動き出しが遅れるほど選択肢が減ります。


Q&A

Q. 「純金融資産1億円」って、持ち家の価値も入りますか?

不動産は入りません。基準は「金融資産−負債」です。預貯金や株式などの合計から負債を差し引く、という定義で説明されています。
なお、住宅ローンは負債に入ります。

Q. 円安で増えた資産は、円高になったら減りますか?

円換算の評価なので、円高方向に動けば評価は下がります。円安で見栄えが良くなった資産は円高で見栄えが悪くなります。
為替は市場で動くため、円高に戻る可能性も含めて考えておくことが望ましいです。

Q. 相続で資産が一気に増えた。最初にやるべきことは?

期限のある手続きが絡むので、早急に「資産の棚卸し」と「相談先の確保」をしましょう。


まとめ

「いつの間にか富裕層」は、株価上昇・円安・相続の影響で純金融資産1億円という基準を超える世帯が急激に増えたことにより台頭してきました。

参考まで、もしご自身が富裕層になった場合にやるべきことは「金融資産の実態、内訳を一度ちゃんと確認→増えた理由をおさえ、守り方を考える(必要に応じ、手を打つ)」ことです。増えた直後ほど判断が雑になりやすいので、先にルールを作っておくといいでしょう。

誰もが夢見る「資産1億円」ですが、今の時代は必ずしも夢物語ではありません。やるべきことをやって資産1億円に到達している一般人はいるのです。
私達もお金の知識を身につけ、資産形成に励みましょう!

※本記事は一般情報で、個別の投資・税務判断を目的としたものではありません。相続・税金が絡む場合は税理士等の専門家に相談してください。

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