
最短で成果を出す人の生活道具は、だいたい合理的です。
毎朝3:45起床で有名な元ゴールドマン・サックスの田中渓さんは、運動・仕事・学びを仕組み化するライフスタイルで注目を集めています。本記事では、田中渓さんの経歴、注目されている理由、本人が紹介した愛用品、読んでいる本まで、SNS・ラジオなどの本人発信内容からまとめました。
目次
1.田中渓さんの紹介
金融キャリア17年→投資会社責任者、著書『億までの人 億からの人』、ラジオのレギュラーも。
上智大理工卒。2007年にゴールドマン・サックス証券入社、投資部門でマネージング・ディレクター、投資部門日本共同統括を務めたのち退社。現在は少数精鋭の投資会社で不動産投資の責任者。
著書:田中渓『億までの人 億からの人』
投資に対する考え方のほか、「仕組み化」「時間配分」「習慣」などの実践知がまとまった一冊。
メディア出演は、InterFMの冠番組「Beyond K-point」やCROSS FM「LIFESTYLE BLUEPRINT」など。ゲスト出演や特集も増えています。
2.なぜ注目されているのか
ライフハックの実践量と一次情報の発信が濃い。
毎日3:45に起き、運動と仕事をルーチン化。スマートウォッチやガジェットなど「時短」「仕組み化」に効く道具を使い倒し、その理由をメディアやSNS、ラジオで発信しています。
発信内容も金融のプロとして経験に基づく専門的な話から、アスリートのようなストイック&マニアックな話まで話題が豊富。話す内容はロジカルで分かりやすい、落ち着いた声で聴きやすい。1つ1つ見れば、同様の強みを持った方はいましたが、これらの強みを併せ持つ方はこれまでいなかったため、界隈で注目を浴びているものと理解できます。
3.田中さんの生活習慣
3:45起床→長距離ランやスイム、サイクリング→デスクワーク、食事はシンプルに整える。
早起き : 毎日午前3時45分に起床し、365日継続。早朝の時間を活用して生産性を最大化。
運動 : 起床後すぐに長時間の有酸素運動(ランニング25km、サイクリング70km、水泳9000mのいずれか)を実施。脳の自動処理、オートパイロット機能(インキュベーション効果)をフル活用。
食事 : 昼食は玄米と生卵を基本にシンプル。腸内環境を重視し、食前には食物繊維(難消化性デキストリン)を積極摂取。
睡眠 : 質を重視し、6〜8時間を確保。スマートウォッチでデータとして管理。
時間管理 : タスクを80%完成で即行動。AIを活用して効率化。
4.田中さんが紹介した愛用品
Plaud PIN(ウェアラブル録音・要約)
独り言も音声でメモ→あとで要約という使い方。本人がXで実際に使っていると投稿。移動中や散歩中の思考整理ツールとして実用的。
Shokz / OpenRun(骨伝導イヤホン)
耳を塞がないのでラン中も周囲音を把握しやすい、聴力は回復させるのが難しいので、聴力に優しい骨伝導はありがたいと投稿。安全性と会話のしやすさを重視し、運動時の定番に。
THE NORTH FACE / エンデュリス レーシングショーツ(黒)
腰回りに伸縮ポケットがあり、スマホ等の小物を収納可能である点を評価。揺れずに走れるなど走行中の安定感が快適との言及あり。
Garmin / Enduro 2(GPSウォッチ)
10年以上ガーミンを24時間運用。Enduroシリーズは電池持ちが長く、月1回程度の充電で済むと語っています。Enduro 2を使っている旨のリプライも確認できます。
NELL / マットレス
「人生の1/3は睡眠。だから環境に投資する」としてNELLを使用。寝具は健康の基盤という考え方。NELLの独立したコイルが体を点で支える点(体圧分散)、寝返りがしやすい点(反発力)、通気性がよく、熱が効率的に逃がされる点を理解し、購入に至ったとのこと。
玄米
「冷えた玄米が好き」という本人の嗜好投稿あり。食物繊維が多い主食で血糖コントロールとも親和。
難消化性デキストリン
食事の際に10年以上継続していると投稿。血糖の乱高下を抑えたい目的での活用。医療ではないので体質に合うかは各自で要確認。
ホットクック(自動調理鍋)
「低温調理器と役割分担。ホットクックはより複雑な料理を任せる」と運用ルールを明言。家事の仕組み化に効く代表例。
ドライヤー / KINUJO
ダイソンからキヌージョへ乗り換え。風力(一応軽さとコンパクトさも)のKPIだけに着目したと投稿あり。ふるさと納税でも手に入るとの補足も。
ロボット掃除機 / Narwal
「ルンバよりNarwal派」と投稿。水拭き・自動洗浄などの自動化が魅力。製品群の公式スペックも高性能。
5.田中さんが紹介した本
- 勝間和代『勝間家電』
「僕が日頃から時間を捻出するためにやっていることは全てここに書かれている」とまで言わしめた高評価の本。勝間さんの家電の選び方や運用思想は田中さんの生活設計と非常に相性がよく、お二人の価値観、考え方が近いことが分かる必読書。
- 燃え殻『これはいつかのあなたとわたし』
疲れていても読める本としてしばしば言及。「スルスルと読めるので、HPが0でも読み進められます」とコメント。
- 三宅香帆『「話が面白い人」は何をどう読んでいるのか』
本書を「序章と技術の分だけでも、十二分に回収できる」「具体例として紹介される本(漫画、映画)が完全に三宅ワールドで、どの作品も大いなる愛をもって紹介され過ぎてて、1冊読み終わるまでに新しい本を10冊買ってしまった。読むとお金が減る本です。」と絶賛。
- 大前研一『考える技術』。
- 就活の頃に大前研一さんの本を片っ端から読んでいたとのこと。数ある本の中でも「考える技術」が一番好きとフォロワーとのやりとりがありました。
- 河野龍太郎・唐鎌大輔『世界経済の死角』
斎藤ジン『世界秩序が変わる時』
石田健『カウンターエリート』
学びたいことは定期的に読み直す田中さん。直近ではこの3冊が該当すると紹介。マクロ視点のアップデートに。特に河野龍太郎さんと唐鎌大輔さんは「(様々な事柄に対し)最新且つ深い洞察を得たい時に、この2人の意見を必ず見るようにしてる」とのコメント付きで紹介。
- 逢坂冬馬『ブレイクショットの軌跡』
「2025年直木賞候補で一番よかった。」「8個バラバラの物語、それぞれがちゃんとストーリーとして完結してて、それを繋ぐテーマ・伏線が、分かっていてもちゃんと引き込まれる。」「逢坂冬馬本はどれも面白い。」として紹介。
- エミン・ユルマズ『エミン流「会社四季報」最強の読み方』
メアリー・バフェット『億万長者をめざす バフェットの銘柄選択術』
ラジオで投資の入り口としておすすめしていた2冊。田中さんからは「まずエミンさんの本、その後、バフェットの本を読むという流れ。マネー本は3冊読んだらそれ以上読まなくてよい。投資を実践していったほうがいい」というアドバイスもあり。
6.まとめ
必要なのは「才能」ではなく、「凡事徹底」。
一見ストイックに見える田中さんの生活ですが、核にあるのは「現実的なルールを自分で設計して、それを崩さない工夫」にあると思います。
必要なのは、「生まれつきの才能」ではなく、「これなら自分でも続けられる」というラインを見つけた上で、当たり前に落とし込み、継続する力だと私は感じました。
「3:45起床」が無理なら「毎日同じ時間に起きる」、毎日ランが難しければ「週2回、20分だけ歩く」でもいいでしょう。紹介されたグッズ、ツール等使えるものを使い倒し、「いい睡眠をとる」「疲れを貯めない」「家事時間を削る」といった基本的な生活習慣の改善に繋げる。これが最初の一歩です。
必ずしもストイックな目標、完璧なルールはいりません。むしろ“7割の気合いで続けられる目標・ルール”で始めてしまい、その後調整していくぐらいのノリのほうが改善しやすいです。
まずは田中さんが紹介された本を読み、考え方を理解してから、動くもよし、先にモノを揃え、形から入ってもよし。自身に合ったやり方で始めてみましょう。